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懇談会報告(平成8年4月)

はじめに

平成7年3月、内閣官房長官から法制的問題を含め今後のウタリ対策のあり方に関し意見をまとめるよう要請を受け、以来11回にわたり会合を重ねてきたが、その問の様々なヒアリング及び同年秋の北海道現地視察、また、その後の論点の整理と幅広い議論をも踏まえ、今般、委員の意見を整理するに至ったので報告する。
ウタリ対策のあり方については、昭和49年以来、北海道ウタリ福祉対策が実施されているが、昭和50年代に入りアイヌ民族に関すアイヌ新法制定の要望が出るなど多くの意見が出されてきた。
また、平成5年(1993 年) の国際先住民年以来、国連においても先住民をめぐる議論が活発化している。
今日に至るまで、我が国としてこうした問題にいかに取り組むべきかという課題は、過去数世紀にわたる歴史認識、先住性、民族性というこれまでの行政にはない視点が必要なこともあり、具体的な政策対応の必要性や基本的理念等において必ずしも議論が深まらなかった経緯がある。
本懇談会では、こうした課題に応えるべく、我が国におけるアイヌの人々の位置付けについて、自然人類学、歴史学、民族学、国際法等の学問的立場からヒアリングを重ねるなど様々な角度から議論するとともに、この分野の施策の新たな基本理念及び具体的施策のあり方等について総合的な検討を行った。
以下は、内閣官房長官の要請を踏まえ、約1年の検討の成果を整理したものである。