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懇談会報告(平成8年4月)

2 北海道ウタリ福祉対策

(1)経緯
戦後の経済発展によりアイヌの人々をめぐる生活環境も大きく変わったが、生活面及び経済面、教育面等の格差は大きく、北海道は、昭和36年度から国の支援の下に、生活環境の改善、住宅の整備、教育の促進などアイヌの人々の福祉向上のための諸施策を実施したが、十分な成果を上げることができなかった。
このため、北海道は、昭和49年度から引き続き国の支援を得つつ、長期的展望に立った総合的な福祉対策として、北海道ウタリ生活実態調査を踏まえて北海道ウタリ福祉対策を進めており、現在、平成7年度を初年度とする第四次対策(平成7~13年度)を実施している。

(2)北海道ウタリ福祉対策の成果と課題
第一次から第三次にわたる北海道ウタリ福祉対策の成果を平成5年度に行われた第4回目の北海道ウタリ生活実態調査からみると、アイヌの人々の経済状況や生活環境、教育等の状況も着実に向上していることが窺われるが、アイヌの人々が居住する地域において他の人々とはなお格差があることが認められ、アイヌの人々に対する様々な差別も解消したとはいえない。
現在、第四次北海道ウタリ福祉対策が進められており、諸施策の充実が図られているものの、第三次対策までと同様に、教育や生活面での格差を是正し、アイヌの人々の社会的、経済的地位の向上を図ることを主な内容としていることに変わりはなく、同対策におけるアイヌ文化の継承、普及に関する施策は近年次第に充実してきたが、一般施策としての限界もあり、必ずしも十分なものとはいえない。