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懇談会報告(平成8年4月)

5 北海道旧土人保護法及び旭川市旧土人保護地処分法の取扱い

明治期以降、「和人」の大量の移入が進むにつれ、生活の途を失い、困窮に瀕していたアイヌの人々に対し、土地を無償で下付し、農耕を奨励するなどアイヌの人々の生活の安定を図ることを目的として制定された北海道旧土人保護法(明治32年法律第27号)及び同法の特別法として後に制定された旭川市旧土人保護地処分法(昭和9年法律第9号)は、昭和10年代以降土地の無償下付の実績がないなどその運用実態も乏しく、今日においてはその存在意義を失っているとみられる。また、「旧土人」という用語は今日の社会常識に照らし呼称として不適切であることは否定できないものであり、無償下付されていた土地の譲渡等に係る許可制も現在では合理性、必要性に乏しいと考えられるため、これらの法律は上述したアイヌの人々に関する諸施策の新たな展開に伴い、廃止のための措置を講ずることが適切であると考えられる。なお、これらの法律の廃止に当たっては北海道旧土人保護法の規定に基づき、北海道知事が現に管理している共有財産(平成8年1月末現在 約145万円)は、アイヌの人々に関する諸施策の新たな展開に資するよう活用することが最も適切であると考えられることから、上述のアイヌ文化振興基金(仮称)に充当することが適切である。