財団について

普及啓発セミナー報告

平成20年度普及啓発セミナー報告集

アイヌ民族は北海道に先住し、自然との関わりのもと、固有の言語であるアイヌ語を有し、ユカラをはじめとする口承文芸や衣服などの工芸品に示されているアイヌ文様、熊の霊送りなど豊かな文化を発展させてきました。
しかし、近世、近代の歴史の中で、同化政策の影響もあり、アイヌの人々の社会や文化の破壊が進み、また、多くの人々が差別や貧困を余儀なくされる状態が続き、アイヌの伝統や文化は危機的な状況に追い込まれましたが、そのような状況にあっても、アイヌの伝統や文化の全てが失われることはなく、その中核部分はしっかりと伝承されています。
この普及啓発セミナー開催事業は、学校教育・社会教育関係者や一般の方でアイヌの文化や伝統等について基礎的な知識を持っている方々を対象に、アイヌの伝統やアイヌ文化等(高度な内容)をテーマとしたセミナーを開催することにより、アイヌの伝統等に関する知識の普及啓発を図ろうとするものです。
本年度は、札幌市(平成20年7月28日~平成20年8月29日)、東京都(平成20年8月5日~平成20年9月5日)の2地区でセミナーを開催し、講師をお願いいたしました各氏には、非常に有意義な御講義をいただきました。
これらの御講義をその場限りのものにせず、より多くの方々に知っていただくため、この報告集を作成・刊行いたしました。
アイヌ民族やアイヌ文化への理解を深め、アイヌ民族の誇りが尊重される社会の実現とわが国文化の多様な発展のために、御活用いただければ幸いに存じます。

 

 平成21年3月

財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構
理事長 谷 本 一 之

  • 講義内容
  • 講師名をクリックすると講義内容(PDF形式)をダウンロードできます。
    (1) 国連の「先住民族権利宣言」とアイヌ民族
    (2) アイヌ絵を読む-誰のために描いたのか-
    (3) 発掘調査からわかってきた厚真のアイヌ文化
    (4) アイヌ文化 見て学んで-学校教育におけるアイヌ民族学習-
    (5) 函館を中心としたアイヌ風俗画について
    (6) 東北のマタギ習俗とアイヌの狩猟
    (7) アイヌ文化と私-祖父・泥辺五郎の足跡をたどって-
    (8) 千島列島のアイヌ文化
    (9) 近世・近代移行期の道東アイヌ-根室(ネモロ)場所の狩猟・漁撈の変容を通じて
    (10) 東京・イチャルパへの道
    (11) アイヌ文化と私-母から受け継ぐ女性の手仕事
    (12)  木彫り熊、発祥の地・八雲から北海道内へ
    (13)  「北海道旧土人保護法」以前の十勝アイヌの共有財産について