財団について

普及啓発セミナー報告

平成18年度普及啓発セミナー報告集

アイヌ民族は北海道に先住し、自然との関わりのもと、固有の言語であるアイヌ語を有し、ユカラをはじめとする口承文芸や衣服などの工芸品に示されているアイヌ文様、熊の霊送りなど豊かな文化を発展させてきました。
しかし、近世、近代の歴史の中で、同化政策の影響もあり、アイヌの人々の社会や文化の破壊が進み、また、多くの人々が差別や貧困を余儀なくされる状態が続き、アイヌの伝統や文化は危機的な状況に追い込まれましたが、そのような状況にあっても、アイヌの伝統や文化の全てが失われることはなく、その中核部分はしっかりと伝承されています。
この普及啓発セミナー開催事業は、全国4カ所で、学校教育・社会教育関係者や一般の方でアイヌの文化や伝統等について基礎的な知識を持っている方々を対象に、アイヌの伝統やアイヌ文化等(高度な内容)をテーマとしたセミナーを開催することにより、アイヌの伝統等に関する知識の普及啓発を図ろうとするものです。
本年度は、札幌市(平成18年7月31日~平成18年9月13日)、旭川市(平成18年8月7日~平成18年8月8日)、東京都(平成18年7月25日~平成18年9月8日)、名古屋市(平成18年7月26日~平成18年7月27日)の4地区でセミナーを開催し、講師をお願いいたしました各氏には、非常に有意義な御講義をいただきました。
これらの御講義をその場限りのものにせず、より多くの方々に知っていただくため、この報告集を作成・刊行いたしました。
アイヌ民族やアイヌ文化への理解を深め、アイヌ民族の誇りが尊重される社会の実現とわが国文化の多様な発展のために、御活用いただければ幸いに存じます。

 

 平成19年3月

財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構
理事長 谷 本 一 之

  • 講義内容
  • 講師名をクリックすると講義内容(PDF形式)をダウンロードできます。
    (1) アイヌ語と文化伝承
    (2) アイヌ民族を意識してからの私。そしてこれからの私・・・。
    (3) 旭川・アイヌ民族の近現代史
    (4) サルウンクル(沙流川アイヌ)として
    (5) イフンケ 母サキのイフンケに守られて
    [心の子守歌]を次の世代に伝えたい
    (6) 室蘭のアイヌ語地名とカムイユーカラ(アイヌ神謡)
    (7) アイヌは北方民族でしょうか
    (8) 私とアイヌ文化
    (9) マイノリティ女性の複合差別
    ~アイヌ女性の実態調査を実施して~
    (10) 知里幸恵の日誌から
    (11) 北海道東部のチャシ
    (12) アイヌの祈りと言葉
    (13) シマフクロウとアイヌ民族
    ~アイヌの人々はシマフクロウとどのように関わってきたか~
    (14) 函館とアイヌ資料コレクション
    (15) 大阪で続けたアイヌ語
    ~ウウェペケレとチコロナイ・アイヌ語学習
    (16) 上川アイヌの研究 40年の軌跡
    ~アイヌの人々と生徒の心の交流~
    (17) 「和人地」に見るアイヌ文化
    ~上之国館跡・勝山館跡周辺の出土品~
    (18) アイヌ逓送人 吉良平次郎と山本多助