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普及啓発セミナー報告

平成16年度普及啓発セミナー報告集

アイヌ民族は北海道に先住し、自然との関わりのもと、固有の言語であるアイヌ語を有し、ユカラをはじめとする口承文芸や衣服などの工芸品に示されているアイヌ文様、熊の霊送りなど豊かな文化を発展させてきました。
しかし、近世、近代の歴史の中で、同化政策の影響もあり、アイヌの人々の社会や文化の破壊が進み、また、多くの人々が差別や貧困を余儀なくされる状態が続き、アイヌの伝統や文化は危機的な状況に追い込まれましたが、そのような状況にあっても、アイヌの伝統や文化の全てが失われることはなく、その中核部分はしっかりと伝承されています。
この普及啓発セミナー開催事業は、全国4カ所で、学校教育・社会教育関係者や一般の方でアイヌの文化や伝統等について基礎的な知識を持っている方々を対象に、アイヌの伝統やアイヌ文化等(高度な内容)をテーマとしたセミナーを開催することにより、アイヌの伝統等に関する知識の普及啓発を図ろうとするものです。
本年度は、札幌市(平成16年7月27日~平成16年10月3日)、苫小牧市(平成16年10月16日~平成16年10月17日)、東京都(平成16年8 月3日~平成16年9月17日)、大阪市(平成16年8月4日~平成16年8月5日)の4地区でセミナーを開催し、講師をお願いいたしました各氏には、非 常に有意義な御講義をいただきました。
これらの御講義をその場限りのものにせず、より多くの方々に知っていただくため、この報告集を作成・刊行いたしました。
アイヌ民族やアイヌ文化への理解を深め、アイヌ民族の誇りが尊重される社会の実現とわが国文化の多様な発展のために、御活用いただければ幸いに存じます。

 

 平成17年3月

財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構
理事長 谷 本 一 之

  • 講義内容
  • 講師名をクリックすると講義内容(PDF形式)をダウンロードできます。
    (1) 上川地方のチセ
    (2) エカシの語るアイヌ文化
    (3) アイヌ民族自身による著作について
    (4) アイヌ文化を創る
    -まりも祭りにみる伝統、創造、共生-
    (5) 先住民が参加する研究のあり方について
    (6) アイヌを自覚するまで
    (7) アイヌ社会における集団の流動性
    (8) アイヌ語復興に関わる諸問題
    -石狩川筋の場合-
    (9) 博物館資料が語るアイヌ文化
    (10) アイヌとチョウザメ漁
    (11) 先住権と権原
    (12) 低湿地遺跡が語るアイヌの生活
    (13) 近世のアイヌ社会 イコトイ―「豪強」、「悪党」そして「カムイ」―
    (14) 海外にあるアイヌ民族資料について
    -アメリカ・ロシア・ヨーロッパにあるコレクションの紹介と特徴-
    (15) 私の受け継いだアイヌ文化
    (16) 知里幸恵の背景を探る
    -旧土人保護法成立以前のアイヌの人たち-
    (17) カムイユカラの伝承
    (18) 英雄叙事詩の伝承
    (19) カナダにおける先住民族教育権の回復への取り組み
    (20) アイヌ文化体験学習のみちのり
    -旭川竜谷高等学校郷土部 1967~2004-
    (21) アイヌの精神文化、アイヌ語と共に
    (アイヌのピリカ.ケイトゥン アイヌイタク.トゥラノ)
    (22) アイヌ民族を愛した松浦武四郎