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普及啓発セミナー報告

平成15年度普及啓発セミナー報告

 アイヌ民族は北海道に先住し、自然との関わりのもと、固有の言語であるアイヌ語を有し、ユカラをはじめとする口承文芸や衣服などの工芸品に示されているアイヌ文様、熊の霊送りなど豊かな文化を発展させてきました。  しかし、近世、近代の歴史の中で、同化政策の影響もあり、アイヌの人々の社会や文化の破壊が進み、また、多くの人々が差別や貧困を余儀なくされる状態が続き、アイヌの伝統や文化は危機的な状況に追い込まれましたが、そのような状況にあっても、アイヌの伝統や文化の全てが失われることはなく、その中核部分はしっかりと伝承されています。
 この普及啓発セミナー開催事業は、全国4カ所で、学校教育・社会教育関係者や一般の方でアイヌの文化や伝統等について基礎的な知識を持っている方々を対象に、アイヌの伝統やアイヌ文化等(高度な内容)をテーマとしたセミナーを開催することにより、アイヌの伝統等に関する知識の普及啓発を図ろうとするものです。
 本年度は、札幌市(平成15年7月29日~平成15年9月10日)、東京都(平成15年8月5日~平成15年8月29日)、帯広市(平成15年8月7日~平成15年8月8日)、大阪市(平成15年8月25日~8月26日)の4地区でセミナーを開催し、講師をお願いいたしました各氏には、非常に有意義な御講義をいただきました。
 これらの御講義をその場限りのものにせず、より多くの方々に知っていただくため、この報告集を作成・刊行いたしました。  アイヌ民族やアイヌ文化への理解を深め、アイヌ民族の誇りが尊重される社会の実現とわが国文化の多様な発展のために、御活用いただければ幸いに存じます。

 平成16年3月

財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構
理事長 谷 本 一 之

  • 講義内容
  • 講師名をクリックすると講義内容(PDF形式)をダウンロードできます。
    (1) アイヌ民族と国際人権法
    (2) アイヌ文化と北海道観光
    (3) 幕府の蝦夷地政策の展開とアイヌ観
    (4) 日本海沿岸におけるアイヌ文化
    (5) ピウスツキとアイヌ文化
    (6) アイヌときどき日本人
    (7) アイヌ民族と自然とのかかわり
    (8) アイヌ語伝承の現状
    (9) 私の教わったアイヌの心
    (10) デザインをとおしてアイヌ文化を見たとき
    (11) アイヌ語を普及するには!
    (12) アイヌの精神文化
    (13) 古代蝦夷(えみし)から見たアイヌ社会
    (14) 熊送りの考古学
    (15) アイヌの口承文芸-語りの形式-
    (16) 私とアイヌ語
    (17) 私アイヌ文化(アイヌと自覚したときに)
    (18) 日米先住民族政策の比較
    (19) 近代日本とアイヌ -「旧土人保護法」をめぐって-
    (20) アイヌの生活文化
    (21) 考古学からみたアイヌの生活
    (22) アイヌ文化と考古学