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普及啓発セミナー報告

平成12年度普及啓発セミナー報告

 アイヌ民族は北海道に先住し、独自の言語であるアイヌ語やユカラ等の口承文芸、アイヌ文様に代表される豊かな文化を発展させてきました。
 しかし、長い歴史の中で、同化政策の影響もあり、アイヌの人々の社会や文化の破壊が進み、また、多くの人々が差別や貧困を余儀なくされる状態が続き、アイヌの伝統や文化は危機的な状況に追い込まれましたが、そのような状況にあっても、アイヌの伝統や文化の全てが失われることはなく、その中核部分はしっかりと伝承されています。
 この普及啓発セミナー開催事業は、全国2カ所で、学校教育・社会教育関係者や一般の方でアイヌの文化や伝統等について基礎的な知識を持っている方々を対象に、アイヌの伝統やアイヌ文化等(高度な内容)をテーマとしたセミナーを開催することにより、アイヌの伝統等に関する知識の普及啓発を図ろうとするものです。
 本年度は、東京都(平成12年8月17日~平成12年9月7日)、札幌市(平成12年8月1日~平成12年8月25日)の2地区で開催し、講師をお願いいたしました各氏には、非常に有意義な御講義をいただきました。  これらの御講義をその場限りのものにせず、より多くの方々に知っていただくため、この報告集を作成・刊行いたしました。
 アイヌ民族やアイヌ文化への理解を深め、アイヌ民族の誇りが尊重される社会の実現とわが国文化の多様な発展のために、御活用いただければ幸いに存じます。

 平成13年3月

財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構
理事長 佐々木 高 明

  • 講義内容
  • 講師名をクリックすると講義内容(PDF形式)をダウンロードできます。
    〈東京会場:アイヌ文化交流センター〉
    (1) アイヌ文化伝承への歩み
    (2) 多文化社会に向けて
    (3) 「レラ・チセ」への道
    (4) 言い伝えとアイヌの世界観
    (5) 田舎と都市における文化伝承
    (6) 若い世代のアイヌから
    (7) 西エゾ地場所の漁業
    (8) アイヌ民族の楽器「トンコリ」
    (9) 次世代に語りたいこと
    (10) アイヌ民族に関する教育と「副読本」の課題
    (11) 記録映画『アイヌの結婚式』と20世紀
    (12) エミシ・エゾ・アイヌ
    〈札幌会場:財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構会議室〉
    (1) 北海道の内耳鉄鍋をめぐって
    (2) 伝統的家屋「チセ」の復元
    (3) 近世のアイヌ民族の社会と生活
    (4) アイヌの着物 児玉マリ
    (5) アイヌ民族をめぐる法の展開
    (6) 白老のアイヌ語を追う
    (7) 私の文化伝承
    (8) アイヌと植物
    (9) 門別のアイヌ文化~継承と保存
    (10) アイヌとマタギ゙の鹿笛
    (11) 北方民族における狩猟の象徴的意味
    (12) 文化の伝承と普及活動