財団について

普及啓発セミナー報告

平成17年度普及啓発セミナー報告集

アイヌ民族は北海道に先住し、自然との関わりのもと、固有の言語であるアイヌ語を有し、ユカラをはじめとする口承文芸や衣服などの工芸品に示されているアイヌ文様、熊の霊送りなど豊かな文化を発展させてきました。
しかし、近世、近代の歴史の中で、同化政策の影響もあり、アイヌの人々の社会や文化の破壊が進み、また、多くの人々が差別や貧困を余儀なくされる状態が続き、アイヌの伝統や文化は危機的な状況に追い込まれましたが、そのような状況にあっても、アイヌの伝統や文化の全てが失われることはなく、その中核部分はしっかりと伝承されています。
この普及啓発セミナー開催事業は、全国4カ所で、学校教育・社会教育関係者や一般の方でアイヌの文化や伝統等について基礎的な知識を持っている方々を対象に、アイヌの伝統やアイヌ文化等(高度な内容)をテーマとしたセミナーを開催することにより、アイヌの伝統等に関する知識の普及啓発を図ろうとするものです。
本年度は、札幌市(平成17年7月25日~平成17年9月14日)、釧路市(平成17年8月10日~平成17年8月11日)、東京都(平成17年8月2日~平成17年9月9日)、福岡市(平成17年8月25日~平成17年8月26日)の4地区でセミナーを開催し、講師をお願いいたしました各氏には、非常に有意義な御講義をいただきました。
これらの御講義をその場限りのものにせず、より多くの方々に知っていただくため、この報告集を作成・刊行いたしました。
アイヌ民族やアイヌ文化への理解を深め、アイヌ民族の誇りが尊重される社会の実現とわが国文化の多様な発展のために、御活用いただければ幸いに存じます。

 

 平成18年3月

財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構
理事長 谷 本 一 之

  • 講義内容
  • 講師名をクリックすると講義内容(PDF形式)をダウンロードできます。
    (1) アイヌ民族に生まれて
    (2) アイヌ語旭川方言の昨日・今日・明日 ―研究から実践へ―
    (3) アイヌ文化伝承活動について
    (4) 知里幸恵のメッセージを聴く
    (5) イオルとアイヌ語地名
    (6) フチから学んだアイヌ文化
    (7) アイヌとトリカブト
    (8) アイヌとヒグマ
    (9) 父と母にみたアイヌの心
    (10) アイヌ史における二大改宗騒動
    (11) アイヌ・エコシステムと縄文エコシステム
    ―自然利用からみたアイヌ社会のなりたち―
    (12) 近世蝦夷地の地名
    (13) アイヌ民族における送り儀礼 ―最近の研究成果―
    (14) アイヌ民族と北方の交易
    (15) サルウンクルとして
    (16) 個人から観たアイヌ観・アイヌ民族としての私個人
    (17) アイヌ文化を子どもたちと学び続けて20年
    ―私立和光小学校での実践―
    (18) アイヌ史の学習にチャレンジ
    (19) 留萌地域のアイヌ文化
    ―少ない情報から探る地域のアイヌの文化―
    (20) 北海道アイヌとして生まれて―昔と今―
    (21) 歯が語るアイヌの先住性
    (22) アイヌ民族の歴史 ―アイヌの詩人 森竹竹市を中心に―