彫る-小刀・山刀・盆-




各部名称

 
 山刀(やまがたな)の部位には決まった名称がありませんが、本マニュアルでは次のように呼びます。
     

材料

 
 クルミ、イタヤカエデなどを材料にします。川上さんは、(さや)(つか)、いずれも製材した2枚の板を貼り合わせて作ります。
     
   
クルミ
     
(さや) 縦30cm 横8cm 厚さ3cm ×1枚 縦30cm  横8cm  厚さ2cm ×1枚
(つか) 縦15cm  横7.5cm  厚さ2cm ×2枚
(大きさに決まりはありませんが、今回製作した物の寸法です)
●刃 用途に合わせた大きさ(銃刀法に留意してください)。
目釘(めくぎ) 刃を(つか)に固定するために使います。硬い材質の木、竹、金属などを用います。
柄口(つかぐち)にはめ込む金具

●木工用接着剤
これは直径3.5cmのステンレスのパイプを叩いて楕円形にした物です。

※割り材の作り方

 
 かつては小刀(こがたな)山刀(やまがたな)(こしら)えを貼り合わせで作る場合は、木を2枚に割った「割り材」を使いました。「割り材」ならば貼り合わせても木目がつながって、合わせ目が判りにくくなります。ただし、この方法は無駄になる部分が多くなるので、川上さんも藤戸さんも、1本の木からできるだけ多くの材料を取れるように、製材した板を使って木目が合って見える工夫を(ほどこ)しています。
     
 
     
   

粗取り

(さや)

 
@ 2枚の板を合わせた位置に印を付けます。  
     
A 貼り合わせ面に刃を当てて型を取っておきます。  
     
B 「帯に掛ける返し」の位置を決め、ノミが入りやすくなるように(のこ)を入れます。
     
     
C 「返し」以外は大きく削り取るので周りにも(のこ)を入れておきます。
     
     
D 差表(さしおもて)側の板に刃を収める部分をくり抜きます。三角刀で縁取りをして平刀で彫り下げます。
     
   
     
E 水抜きやゴミをかき出すための穴も彫っておきます。
     
   
(つか)

 
@ 差表(さしおもて)側の板に刃の付け根を当てて型を取ります。付け根は、外側から目釘(めくぎ)を打って留めるので穴の位置も決めておきます。  
     
A 金属の目釘(めくぎ)を使う場合は差裏(さしうら)側の板に、木材を使う場合は裏表の板に穴をあけます。  
     
B 付け根だけでは(つか)がもたないので、刃の縁を3ミリほど(つか)に食い込ませて押さえます。川上さんは呑口拵(のみくちこしら)えにするので、刃を収める部分はそれを見越して彫っておきます。  
   
 

接着

 
@ 接着剤で、(さや)(つか)、それぞれ貼り合わせてから締め付け、1日は乾燥させます。寒いと接着剤が凍り、暑いと波打つので室温を保ちます。  
   
   
     
 製材した板でも材料の取り方を工夫すれば木目がつながって見えます。
     


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