アイヌの伝統的な衣服は素材や文様などによって地域性が見られ、名称も異なっています。アイヌが衣服に用いた素材は、動物を使ったものと植物を使ったものに大きく分かれ、さらに材料としてあるいは完成品として本州、大陸からもたらされたものがあります。
 これらの衣服の中でアイヌの代表的なそして最も身近な衣服は、アット゜シと呼ばれる樹皮衣です。オヒョウやシナ、ハルニレなどの木の繊維(せんい)を布にしたもので、木の皮を()ぐことに始まるこの仕事は今でもアイヌの人たちを中心に受け継がれています。
 アイヌの女性にとり衣服を仕立てることはとても大切な仕事のひとつでした。自らの手で()り、刺繍(ししゅう)したこの樹皮衣を夫に、また立派に成長した子供達に着せることはアイヌの女性にとって最高の誇りだったのです。
ここで紹介するのは
北海道日高地方平取町二風谷に住む
藤谷るみ子さんが母親から受け継いだ
樹皮衣の制作方法です。

藤谷るみ子さん

 
本文中のアイヌ語表記は監修者の萱野 茂氏の指導に基づいています。
※発音について  ト゜=tu(トゥ) アット゜シ=アットゥシ



前のページに戻る 】  【 次のページを開く