屋根を組む(小屋組み)

 
 屋根の組み方は、地組みといって、地上で組み立てる方法と、柱を立て、その上で組み立てる方法とありますが、ここでは、地組みを用います。


柱を立て、その上で組み立てる

地組み


1.桁(ソペシニ)・梁(ソエカリニ)

 

 まず、家を建てようとするところに、東―西の方向に(けた)(ソペシニ)を2本置きます。このとき、2本とも木の元口(根元のほう)は東に、また、木の反りの凸面を上にします。
 次に、その(けた)の上に、南―北の方向に外梁(そとはり)(ソエカリニ)を2本置きます。このとき、東側の(はり)は、木の元口を北側に、西側の(はり)は南側にします。
 さらに、2本の外梁(そとはり)の間に中間梁(ちゅうかんはり)(ウマムキ)を2本置きます。


(けた)(はり)を置く

(けた)(はり)の元口と末口
 4本の(けた)外梁(そとはり)、2本の中間梁(ちゅうかんはり)の位置が決まると、それぞれ(けた)(はり)が交差する箇所で、(はり)(けた)を受ける「受け」をつくります。「受け」は、(けた)の丸みに合わせて、半円形にします。


桁と梁の交差
 
「受け」をつくる
 (けた)外梁(そとはり)を組み合わせたら、交差部を太めのしな縄を使って結束します。  
しな縄で結束する


2.三脚(ケトウンニ)・棟木(むなぎ)(キタイオマニ)

 

 (けた)(はり)が出来上がると、今度は、その上に組む三脚(ケトウンニ)を2組つくります。
 この三脚は、アイヌのチセに多く見られる、独特の構造です。


三脚をつくる3本の木としな縄の輪
 まず、用いる木を加工します。3本の木の元口の端を扁平(へんぺい)に削って、先をとがらせ、扁平(へんぺい)な部分の中心に穴を開けます。これは、(けた)(はり)に当たる部分で、穴は(けた)(はり)と結束させるしな縄を通すものです。また、しな縄の輪が当たる部分に「受け」をつくります。


扁平(へんぺい)な部分に穴をあける
 
元口の端を扁平(へんぺい)に削り、先をとがらす
 次に、加工を終えた3本の木を水平に並べ、しな縄を幾重にも束ねた輪を木の末口のほうの端から40〜50cmくらいのところにかけ、真ん中の木をほぼ一回転させます。

※3本の木のうち、真ん中の1本を逆方向に並べ、その木を下に下げるという方法もあります。
 
真ん中の1本を一回転させる
 これで三脚は出来上がりですが、このとき、輪にゆるみがないか、輪の大きさに注意が必要です。  
三脚の頂部
 次に、完成した三脚2組を、東辺と西辺の(けた)(はり)の上に乗せ、さらに、三脚の上に棟木(むなぎ)(キタイオマニ)を乗せて、高さや3本の足の立ち具合などを見ます。
 この三脚によって、屋根の高さや傾斜が決まりますので、三脚が長すぎたり、短すぎたりしないように、柱の長さとのバランスを見ることが大切です。傾斜が(ゆる)やかですと、屋根に雨や雪が残り、雨漏(あまも)りの原因となります。
 ちなみに、適当な傾斜の角度は45度くらいといわれています。

 
完成した三脚を(けた)(はり)に乗せてみる

四方の屋根面(垂木面(たるきめん))を45度傾斜させる場合の
三脚の組み方の一例
 
棟木(むなぎ)を乗せ、バランスを見る
 
@長さ237cm 東へ41度
A長さ263cm 北へ41度・西へ23度
B長さ267cm 南へ41度・西へ25度

屋根面(垂木面(たるきめん))は三脚より急勾配(きゅうこうばい)になり、(かや)()くとさらに急になります。
三脚というと3本の棒の長さは同じと考えがちですが、同じ長さの3本の棒を使って四方の屋根面の角度が同じになるように三脚を組むと、ABが東西方向へ傾かず、真っ直ぐになってしまいます。
また、三脚の交差は厳密(げんみつ)には一点ではなく、三脚の足を刺す(けた)(はり)の高さも違いますから、棒を切り(そろ)える前に、実際に(けた)(はり)の上に置いて試してみましょう。
 三脚の形が決まりましたら、(けた)(はり)の三脚が当たる部分の内側に「受け」をつくり、各三脚の足を入れ、しな縄で結束します。



しな縄で結束する
 
(けた)(はり)に「受けをつくる」


しな縄で結束する



前のページに戻る 】  【 次のページを開く