屋根を()く(1段目)



1.屋根すだれ(アクッポクンペ)

 
 次に、屋根全体に屋根すだれ(アクッポクンペ)をつけます。屋根すだれは、屋根や壁を()く茅よりかたい鬼茅(おにかや)をぶどうづるの皮の撚紐(よりひも)で編んだもので、屋根裏から(かや)の穂が垂れるのを防ぐとともに、防火の役目をします。


屋根すだれ、隅の部分

屋根すだれをつける
ここまできますと、柱を立て、屋根を上げることもできます。どの段階で屋根を上げるかは、屋根の重さと、持ち上げる人数によります。屋根葺(やねふ)きなど、出来るだけ地上で作業をしたほうが安全で、万事がスムーズですから、以後の作業は、屋根の重さ、関わる人員数などに注意を払い、進めていきます。
ポンチセは、南面と北面の1段目の茅を葺き、東面の神窓の上の(ひさし)をつくってから、屋根を上げました。


2.屋根()き(1段目)

 

 次に、屋根()きです。屋根()きは、下のほう(1段目)から上のほうへと、順次、()いていきます。1段目は、雨などで一番痛みやすいところですので、(かや)束は太めのものを使いますが、上にいくにしたがって、次第に小束を使います。同じ太さの(かや)束を使っていきますと、厚みが増してきて、茅が立ってしまうのを防ぐためです。
 (かや)束は、少しの隙間(すきま)も出ないよう、びっしりと詰め込むように端から順に置いていきますが、中央には短い茅を、両端には長い(かや)を使い、垂木を置いたときと同様に、開いた扇を逆さにしたように置きます。


茅を置く

 この1段目の茅は、(のき)となります。短いと、壁の下の部分に雨垂(あまだ)れが落ちたりして、壁を痛めますので、長く出すようにします。

 最初に、屋根面に茅をしな(ひも)で仮に固定させます。(かや)の根元は下向きです。

※ポンチセでは、1段目の(かや)を並べた際に、支えとしてしな(ひも)を使って仮に固定しましたが、地方によっては、板を置いたりして、(かや)を支えます。

 この作業には、先端をとがらせ、その少し手前を扁平(へんぺい)にして中心に穴をあけた針(ケム)を使います。

 針(ケム)
 作業は、各面とも端から行います。2人あるいは3人が一組となり、そのうちの1人は屋根組のなかに入り、針を使って、しな(ひも)を屋根組の内外に出し入れし、他の人は、屋根組の外側で、そのしな(ひも)を使って、茅を固定させていきます。
 針は、茅の目にそって、面に直角に刺していきます。
 

(かや)を固定する
(かや)を固定する
 
針を刺す

 次に、固定した茅をサクマ(ソユンサクマ)で押さえていきます。この作業も2人あるいは3人が一組となり、そのうちの1人は屋根組のなかに入り、針を使って、しな(ひも)を屋根組の内外に出し入れし、他の人は、屋根組の外側で、そのしな(ひも)を使って、茅をサクマで押さえていきます。  
茅をサクマで押さえる
 茅は、先につけたサクマと今回つけたサクマに挟まれ、しな(ひも)で結束されます。
 なお、4隅のサクマ(ソユンサクマ)は、火で焼いて、「く」の字型に曲げたものを使います。

針刺し
 
サクマのジョイント部分



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