チセには附属して、仔熊飼養檻(ヘペレセッ)、食糧庫(プ)、便所(アシンル・メノコル)、物干し(クマ)といった建物が建てられます。ここでは、簡単に紹介します。


1.仔熊飼養檻(こぐましようかん)(ヘペレセッ)

 

 仔熊を飼養するための(おり)をつくります。仔熊は神様からの預かりもので、養育を託されたと考え、大切に育てられました。
 まず、先がY字型をした4本の柱を立て、その上に(けた)を置きます。次に、その上に(はり)を置くように木を置きます。交差するところは柱の上です。
 同じようにして、校倉(あぜくら)に木を組み合わせていきます。


柱を立てる
 木が交差するところには「受け」をつくります。  
「受け」をつくる
 木の枠が出来上がりましたら、交差して外側に出た木を縦に置いた2木の木で挟み、上下をぶどうづるで結束します。
 次に、一番下の木の上に隙間なく木を並べて、床をつくります。また、一番上の木の上にも並べて、天井をつくります。
 これで仔熊飼養檻(こぐましようかん)は完成です。
 
完成した仔熊飼養檻


2.食糧庫(プ)

 
 食料庫は、長い冬の生活のために、食料を保存しておく建物です。ねずみや湿気から食料を守るために、高床式になっています。
 チセの屋根組みと同様に、地上にて屋根組みと小屋組みをして、(けた)(はり)を置いた柱(足)に乗せます。
 

(1)小屋組み
(2)小屋組みを乗せる
 桁と柱の間には、「ねずみがえし」として、半割りにした木を挟みます。

 取り外しの出来るはしごをつけます。
 
「ねずみがえし」をつける
 これで食糧庫は完成です。  
完成した食料庫


3.便所(アシンル・メノコル)・物干し(クマ)

 

 便所の多くは、チセの北西隅から少し離れたところにつくられます。1個だけつくり、男女兼用という地域が多いようですが、白老地方では、男女別に2種類の便所をつくり、名称も男性用をアシンル、女性用をメノコルと呼んで、区別していました。


便所をつくる
 女性用は、三脚を置き、入口となる箇所を空けて、サクマをつけ、茅を葺いていきます。穴を掘って(たる)を埋めて便漕(べんそう)をつくり、入口は、茅すだれが下がるようにします。
 男性用は、構造が簡単で、柱を4本立てて、「コ」の字型にサクマをつけ、茅を葺いていきます。便漕(べんそう)として穴を掘ります。
 これで便所は完成です。


完成した便所
 
女性用便所の骨組み
 次に、物干し(クマ)をつくります。
 物干しは、チセの南側や西側につくられ、魚を干したりするのに使われました。
 先がY字型になった木を2本立て、木を1本渡します。これで完成です。
 
物干し
 こうして、チセ、附属建物すべてが出来上がりました。
 
完成したチセ、附属建物
 
※チセには、東側−神窓の前に幣柵(ヌササン)というものが設けられています。木幣(イナウ)が立てられ、神に祈ったり、祖先を供養したりするところで、大小3つの幣柵(ぬささん)があります。新しくチセを建てたときなど、この幣柵は新築祝の儀礼の実施に伴って立てられます。



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