〈座り板・(かい)櫂受(かいう)け〉


座り板
   
 ()ぎ手の座る場所に「座り板」を取り付けます。イタオマチプは手漕(てこ)ぎのボートと同じく、()ぎ手が進行方向に対し後向きで座ります。
 座り板は両端以外の横木の後側に、5カ所5人分を取り付けます。板の位置を変更できるように麻縄(あさなわ)で止めます。座り板をとめる縄は、羽板(はねいた)(つづ)っている縄に絡めます。(写真124)
 
写真124

(かい)櫂受(かいう)
   
 イタオマチプの推進力は()と、人が()ぐ10本の車櫂(くるまがい)、そして1本の()(がい)です。

車櫂(くるまがい)〔カンジ〕
   
 (かい)には、弾力があり丈夫で狂いの少ないシウリザクラを使いました。(写真125)  
写真125
     
 車櫂(くるまがい)(くるまがい)は「櫂受(かいう)けの軸」を通して使うもので、イタオマチプの特徴のひとつになっています。持ち手側寄りに「櫂受(かいう)の軸」を通す穴を開けます。(写真126)  
写真126
     
 長さ2m86cmの(かい)は先端にいくに従って徐々に薄くなっています。持ち手側は(にぎ)りの部分以外を太くして重量のバランスをとっています。
 「車櫂(くるまがい)」は5対・10本作ります。(写真127)
 
写真127

櫂受(かいう)
   
 ()ぐときに大きな力のかかる「櫂受(かいう)け」は、(かた)いドスナラで作ります。(写真128)
 軸が回って抜けやすくなるのを防ぐため「櫂受(かいう)けの軸」を差し入れる穴は上側を丸く、下側を四角く開けます。(図16)
 右の写真は四角い穴を開けたところです。
     

櫂受(かいう)け断面 図16
 
写真128
     
 櫂受(かいう)けを船べりの面に合わせて仮止めし、羽板(はねいた)も通して穴を開けます。これらの穴に細めの麻縄(あさなわ)を通し固定します。(写真129、130)
     

外側より 写真129
 
内側より 写真130
     

写真131
  「櫂受(かいう)け」の位置は、座り板を取り付けた「あばら木」から、約70cmの所が「櫂受(かいう)け」の穴の中心になります。左右対象に取り付けます。
 車櫂(くるまがい)を操作しやすい櫂受(かいう)けの中心の位置は、()ぎ手が座って膝から10cmほど先の所です。(写真131)
     
 櫂受(かいう)けに差し込む「櫂受(かいう)け軸」を作ります。エリマキノキの樹皮(じゅひ)()いて、片側の先を四角く削ります。櫂受(かいう)け軸は消耗品(しょうもうひん)なので、航海(こうかい)に出るときにはたくさん準備しておくものです。
 この軸に車櫂(くるまがい)の穴を通します。(写真132、133、図17)
     

写真132
 
写真133
     
   
図17

()(がい)
   
 ()(がい)の材料もシウリザクラです。車櫂(くるまがい)よりも(はば)を広く作ります。(写真134)  
写真134
     
 持ち手側は細く、断面を四角にします。(はし)をひらがなの「く」の字型に削ります。(写真135)  
写真135
     
 ()(がい)は持ち手を別に作ります。持ち手には(かい)の本体と組み合わせるための穴を開けます。両端は(にぎ)りやすいように円筒形にしています。(写真136)  
写真136
     
 持ち手の反対側の面です。(写真137)  
写真137
     
 持ち手と本体を組み合わせ、細めの麻縄(あさなわ)を叩きながらしっかりと()めて巻きます。このように組み合わせると(ゆる)むこともなく、(ひね)る力にも強くなります。
(写真138、図18)
 
写真138
     
   
図18
     
 ()(がい)船頭(せんどう)が使うもので1本作ります。()いだり(かじ)をとるための(かい)です。
 車櫂(くるまがい)のように「櫂受(かいう)けの軸」を通す穴は開けません。(写真139、140、141)
 

写真140
 

写真139
 

写真141

()(がい)用の櫂受(かいう)
   
 船尾(せんび)には、「()(がい)」用に縄で櫂受(かいう)けを作ります。櫂受(かいう)け用の当て木を固定します。船尾(せんび)から見て左側に取り付けます。(写真142、143)  
外側 写真142
     
   
内側 写真143
     
 穴を開けて縄を通します。その縄の()に同じ縄を巻きつけ、太くして丈夫にします。(写真144)  
写真144
     
 ()(がい)櫂受(かいう)けの取り付け方(図19)
     

1.櫂受(かいう)けの材料は羽根(はね)をはさみ固定する。その後、穴を開ける。
   
  2.端(はし)に結び目をつくり内側から外側に出し、内側にもどしてから途中に結び目をつくる。
   
  3.同じ縄で元の縄に巻いていく。
   

 
   
  5.図19
     
 巻きつけた縄は舟の内側に開けた穴に、通して結びます。(写真145)  
写真145
     
 ()(がい)はこの()の中に通して使います。練り櫂が自由に動くように、()には余裕を持たせます。
(写真146)
 
写真146



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